さかなとかえる

徒然なるままに

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Perfumeの楽曲に使われているクラシック技法

自分は聴いている音楽がとても偏っています。

・クラシック大好き!コンサートとか行くしCD買うよ!!

中田ヤスタカ大好き!Perfumeのファンクラブ会員4年やっていたよ!

という二極(?)でしかほとんど聴いていません。クラシックか、中田ヤスタカか。

 

この二極の融合(こじつけ)で、Perfumeの楽曲に使われているクラシック技法を探していきます。

好きな音楽×好きな音楽。当然好きなのでほんと調べるの楽しいです。

ちなみに今回取り上げるクラシック技法は大きく4つになります。

ポリリズム

[MV] Perfume「ポリリズム」

おそらくPerfumeで一番か二番に有名なのではないでしょうか。

そのまんま「ポリリズム」という名前の技法が使用されています。実は音楽用語でした。知っていましたか??

それがこちら。

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(画質荒くてすみません)

1:37~あたりからの部分で、各楽器の拍がずれているのがわかりますか??

シンセが3拍(緑)

写真にはないですがドラムが4拍(この曲であれば標準・普通)

ヴォーカルが5拍(赤、ポリリズムの5文字をそのまま8分音符にあてている)

バスが6拍(青)で、それぞれ進行しているので1拍ずつずれていっています。

バグったように聞こえるので慣れないと気持ち悪いですが、慣れたらオシャレに聞こえるので不思議です。ライブでもここの部分盛り上がりますし!

 

☆実際ポリリズムが使われているクラシック

アラベスク第一番を筆頭とした、ドビュッシーの曲たくさん

ショパン幻想即興曲

ラフマニノフのピアノ協奏曲第二番の第二楽章(個人的にめっちゃ好きなのに弾けない)など、ラフマニノフも結構多い・・・など

 

Perfumeでの登場楽曲

ポリリズム

 

 

②五音音階(ヨナ抜き・ニロ抜き音階)

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(「VOICE」の楽譜より、冒頭のサビ)

長調(メジャー)の曲の場合、普通はド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・(ド)と7種類の音を基本にメロディは作られます。

しかし、その中で4・7番目(ここではファ・シ)の2つを抜いて作られるのが五音音階です。4と7を抜くので、別名ヨナ抜き音階とも呼ばれています。

短調(マイナー)の場合は、2・6番目を抜きます(抜く音は長調の場合と同じ)

上記「VOICE」の場合は、ミ・ファ♯・ソ♯・シ・ド♯の5音でサビができています。(大きい方の音符参照)

実は中田ヤスタカはこの音階を多用していて、彼独特の覚えやすい・耳に残るメロディは五音音階も主な原因とされています。(同じく中田ヤスタカ作曲のきゃりーぱみゅみゅ「つけまつける」や「にんじゃりばんばん」も五音音階、さらに反復して出てくるから耳に残りますよね)


[MV] Perfume「VOICE」

なんかまっすぐなメロディじゃありませんか!?どこか懐かしい感じの。

 

☆実際に五音音階が使われているクラシック

ドヴォルザーク交響曲9番「新世界より」第2楽章:「家路」のメロディです。

リストのため息 など・・・民謡で多数使用

クラシックではないですが「君が代」のメロディも実はこれです。

 

Perfumeでの登場楽曲

VOICE(サビ)

FLASH(Aメロ)

Cling Cling(サビ)

Night Flight(一部除き全部) ほか、細かく見たらもっと出てきます。

TOKYO GIRL(2017/03/01追記、Aメロがキレイに5音音階を上がっています)

 

 

③ドリア旋法

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(「レーザービーム」のAメロ)

今度は、短調(マイナー)の音階を考えましょう。

短調の音階はラから始まり、シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ・(ラ)・・・

となっていきます。

ここで、6つ目の音を半音上げたのがドリア旋法です。

もともとは教会旋法の一種だそうです。(ちなみに同じ教会旋法の仲間であるミクソリディア旋法というのも、ドリアほどじゃないですがヤスタカは使用しています。)

上記なら、ハ短調(Cm)の曲なので、

通常短調:ド・レ・ミ♭・ファ・ソ・ラ♭・シ♭・ド

ドリア旋法:ド・レ・ミ♭・ファ・ソ・・シ♭・ド

と変わってきます。メロディの部分のラに♮がついて半音上がっていますね。

これによって明るくもなくそこまで暗くもない、一風変わった雰囲気を出しています。(0:55~)


[MV] Perfume「レーザービーム」

 

☆実際にドリア旋法が使われているクラシック

 サティのジムノペディ第一番(誰もが一度は聞いたことある曲ですよ)

ドビュッシーメヌエット など・・・

 

Perfumeでの登場楽曲

レーザービーム

Night Flight(間奏)

Butterfly(隠れた名曲だと思います!)

 

 

④ピカルディの三度

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(「不自然なガール」のサビの部分より)

こちらも短調(マイナー)の曲なんですが、コードの流れの終わり・終結部を逆に長調(メジャー)で終えよう!という技法です。

上記の「不自然なガール」の場合、変ホ短調(E♭m)の曲なんですが、

「ほどほどにしたいでしょ」の「しょ」のところで本来E♭mに落ち着くはずであろうところがE♭になってますね!!

主調の三番目の音が半音上がっているコードに変形しているため、これをピカルディの三度と呼びます!

予想とは違う、何か浮いた印象を与えます。(0:14のとことか)

まさにタイトル通り不自然。笑


[MV] Perfume「不自然なガール」

☆実際にピカルディの三度が使われているクラシック

 ショパンノクターン1番・6番・9番・11番

これまたショパンエチュード6番・12番(革命で有名なやつです)ほか多数・・・ショパン短調はピカルディで終わる率がなかなか高い。

 

Perfumeでの登場楽曲

不自然なガール

Magic of Love

 

以上となります。

ヤスタカサウンドってポップスやクラブミュージック等、様々なジャンルの中でも特にクラシックぽいよなあと思うのは自分だけでしょうか。

技法から、共通点を見つけていきました。

やっぱり、Perfumeの一番の魅力はメロディにあると思うんだ。うん。