選挙は演劇であり、見せもののゲームなんじゃいかって思っている。
投票の2週間前だけ盛り上がる、お祭りともいえる。
国会の選挙なら3年に一度の定期イベントと、最長4年空く不定期イベントって感じか。
候補者や政党(Party)はその時「だけ」、国民にわかりやすいテーマを与えてアピールする。
戦略としては、
1.とにかく自分たちの色を出すパターン
2.マイナー層の取り込み(本命にとにかく反対の意見を言う)パターン
上記2つであり、ビジネスでいう差別化がこれにあたる。
公約とかマニフェストとかいうけど、それが本当にかなえられたケースの方が少ないのではないか。
時期がどうとか、予想外の外部要因(天災や外国の動きなど)を言い訳にして延期し、結局そのままになる。
もともとする意味なんてなかったものを。
で、「政治に参加する手段はこれくらいしかないから」という理由で国民・有権者は選挙に参加する。
当たりのないくじを引くことに気づいていないか、気づいていても「とにかく選挙は行け」という謎の常識が流行しているため選挙に行ってしまう。
そして期間限定で、有権者間で現れるのは、「俺は各政党を知っている、選挙にも行く」という見せかけの意識高い人だ。
SNSを主戦場に、有権者間のマウンティングを趣味にして生きている人たち。
期間限定で、「若者の投票率が低いから選挙に行こう」というキャンペーンとそれを仕切りたがるマウンティングしたがる人たち。
「若者が投票しないから高齢者にいい社会になっている」と考えている人たちは、自分たちが高齢者になったら「高齢者が投票しないから若者にいい社会になっている」とどうせ働きかけるのだろう。
社会学の教授でさえ「選挙は権利だから行くべき」と本気で思っている人がいるから困る。
選挙は見せ物のゲームだ。
ルールを決めた人が有利になるようにしているからだ。
毎回のことだが、全国トータルで見れば40%ほどの投票率(それでも1位だが)で、3分の2以上の議席を獲得することができるゲームだ。
勝てるところで勝ち、大量失点で負けることが意図的にできる制度だから。
本質ではないし、本質なんてない。
そしてそこに踊らされていく有権者。この時期だけ政治に関心を持ち、選挙後も「もっと政治に興味を持とうと思った」と毎回思うだけの人たち。
こんな人たちばかりだから、コントロールするのも簡単で、内容よりもテクニック重視の心理戦のウエイトが高くなる。
本気で政治を考えている人は、選挙なんてなくても勉強して行動をしている。それが正しいかは置いておいて。
選挙は、政治をよくするために行われているわけじゃない。自分たちの身を守る、保身や就職先を探すために行われているという一面を忘れてはいけない。
選挙は確かに民主的だけど、選挙で世の中が変わった例は歴史的に少ない。
むしろ選挙をしない仕組みの方が、革命なんかが起きやすい。
選挙は、世の中を変えるシステムではなく世の中を維持するシステムだ。
ただそれを直接言ってはいけないので、あたかも「自分の一票で世の中が変わる」と思いこませる、つまりイデオロギーであることにその本質がある。