さかなとかえる

徒然なるままに

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読書めも:僕は愛を証明しようと思う。

噂の恋愛工学にとうとう手をつけてしまいました。

「工」ってなんやねん、と思ったのですが、テクノロジーのことだったんですね。

 

概要

テクニックやマインドセットが書かれた、ナンパ本である。

「恋愛工学」という理論に基づいた女の子の落とし方である。

それを小説みたいにストーリーにして説明されてある。

タイトルはそれっぽくないけどね。

 

表面的にはこんな感じ。

 

読んでしまった背景

モテたい。以上。

っていうわけでもなくて、なんかこの話題についていろんな人が発信しているので、どういうものか知りたくなったというのもある。一応建前上の理由として。

 

読んだ感想

読み終えて第一に、これナンパ本か??もっと深いところの話じゃないか。

 

受験勉強、就活、営業・・・

恋愛だけじゃなくて全部に通じるものがある。恋愛工学×就活とかのテーマで記事にしてもよかったけどすでにたくさん書いている人がいたのでやめた。

例えば・・・

Ⅰ:「女の子と連絡先を交換したらすぐメッセージを送る」というテクニック?が本であるけど、営業先で名刺もらったら帰ってすぐに今日の御礼メール打つし、Facebookで友達になったらメッセンジャーでとりあえず挨拶している。

Ⅱ:「相手と共通の体験を探して、安心感を与える」というテクニックも紹介されていたけど、これはインタビュー(取材)にも通ずる。気持ちよく話していただくために相手と共通の体験を探すし、会う前からそういうネタを準備する。インタビューで聞く内容の前に、安心感を与えてラポールを作っている。

Ⅲ:論文のためのインタビュー調査に出かけて、路上ライバーにインタビューさせてもらうときは自然とACSモデルを使っていたということに気づいた。インタビュー実績や名刺からさりげなく学歴をアピールして(A)、演奏をちゃんと聞いたりSNSを調べて信頼関係を作り(C)、押してインタビューさせてもらう(S)。

これ以外にもあるんだけど、なんだかんだ恋愛以外でナンパというか、口説くためのテクニックを使っていたことに気づいた。

なんで恋愛には使ってこなかったんだろうかwww

結局は、ナンパは男が一方的に利益を得るものじゃないんだ、ということがわかった。

これらは人を動かす技術?

いや、ちょっと違う。

「動かす」のではない。

男女互いに気分をよくさせるものであって、それは一方的な「win-lose」ではない。

win-win」の関係を築くもの・方法だった。

 

一番刺さったところ

このころになると、僕は女の人が言うことと実際の行動とか、いかに矛盾しているかということを理解しはじめた。問題なのは、彩夏は特殊な女というわけではなく、ほとんどの女が、言うこととやることがてんでんバラバラで、彼女たち自身、その言行不一致に気が付いてさえもいないということだった。

(本文P227)

 別に彼氏がいても主人公と寝る、彩夏という女を見て主人公が考察している部分。

このところから2つのことを感じた。

①ユーザーはバカである

よく他のビジネス書を読むと出てくる「ユーザーは本当に欲しいものをわかっていないから、ユーザーの声を聞きすぎるのはよくない」というものにつながる。マーケットインの発想だけではダメで、言っていることの本質的な欲求を理解しないといけない。

スマホがよく例えに出される。ガラケーしかなかった時代のユーザーは「もっといい機能のガラケーを」しか言わなかった。そこで出てきたのがiPhoneで、以前はだれも欲しいと考えていなかったけど、爆発的に普及した。

②バカなユーザーの声を聞くのは、もっとバカである

誰のことかというと、自分のことである。

マーケットインの発想しかなかった自分ってバカだったなぁ、と。

さいころから、母に「女の子は大事にしてあげて」「誠実な人がモテる」と言われて育った。

純愛もののドラマとか見て、恋愛ってそういうものだと思った。「プロポーズ大作戦」とか好きでよく見ていた。

今でも、飲み会に出ると女の子は「チャラいのは無理」「遊ぶ人は嫌い」と言うし、自分はそれを聞く。

それらを素直に鵜呑みにしてきたから、誠実にしてきたつもりだし、真面目に恋していた。そうすればモテると思った。っていうか思うでしょ普通は。

しかしそれでモテなくて、振られたりしておかしいなとは思っていたけど、それが間違いだということが明確になった。いわゆる「非モテコミット」をしていたんだ。そして逆に「嫌い」と言われているチャラかったり遊んでいる奴がモテるのが現実。

今まで女に騙されてきた気分なんだけど、それも違うんだろう。女側は騙す自覚ないし、たぶん心の底から正しい(と思っている)ことを言っているだけだ。

「女の子が誠実な人がいいって言っていたから」という言い訳を用意して、何か責任を担保してくれるとどこかで自分が思ってしまっていたんだ。無意識のうちに。

何も知らないからユーザー(女の子)の声を聞いて行動するしか戦略がなかった、自分の責任でしかない。騙されるのが悪い。

読んでいて胸元をえぐられた。

 

 

この本の主人公はすごいナンパ師と出会って教えてもらって変わっていくのだけど、そういう「自分よりすごい人に教えてもらう」ということは結構大事なんだろう。

実際に実践するかどうかはともかくとして、男性も女性にも勧めたい本だった。

 

 

ぼくは愛を証明しようと思う。 (幻冬舎文庫)

ぼくは愛を証明しようと思う。 (幻冬舎文庫)