昔は、黒い白鳥など存在しないことから、あり得ないことを「ブラックスワン」と慣用句のように使っていたらしい。
しかし、その後黒い白鳥が実在したため、あり得ないと思ったことが起きることを、ブラックスワンと捉えるようになった。
という本である。
ブラックスワンで思うことは、
ブラックスワンと判定するのは人間であり、事象は自然・もしくは人間の行った結果によるもの。
本書にもあるが、人間の認知バイアスによるところが大きい。
また科学絶対主義のような科学的な思想へのアンチテーゼとしている部分もある。
科学で解明できるのは、ほんの一部分に過ぎず、構造的に理解することができない部分が大多数を占める。
「なんでこうだったのか」を完全に科学する方が無理がある。ということだろう。
そうしてみると、理由というものはあまり意味を無さなくなる。
人間の予測を超えたところ、に何か可能性があるという前提に立つと、
あまり今後の予測というものも意味をなさないのかもしれない。
ただ一つ言えるのは、生物学的にも、変化に強いことが生き残る要素であることだけはわかっている。
予想屋にはなってはいけないし、評論家になるのでもなく、自ら変化を起こし続けるようではありたい。
長期の未来にかけるのではなく、短期の未来を、変化して追って行けるようになることはアドバンテージに思える。
そして、短期かつ、他の人は予想できていないようなこと、ブラックスワンに思えていることを予想できたら、一番美味しいと思う。