有価証券報告書(通称、有報)を読むメリットを語りたいです。
特に会社をみて判断する場合がある人。
就活生、転職活動している社会人、他競合調査やらなんやらに勤しんでいる方。
読めると読めないとでは人生変わる!!
有報とは
有価証券を発行している企業が自社の情報を開示するために作成する報告書。金融商品取引法により作成・提出が義務づけられている。有価証券の公正な取引や投資家の保護を目的とするもので、事業年度終了後3か月以内に金融庁に提出する。企業の概要・事業の状況・株式の状況・財務諸表などが記載されている。有報。
とのことです。(デジタル大辞泉)
なぜ語るのか
最近で一番成長したことが、有報を読めるようになったことだったため。
普通に見落とされがちな情報が乗っているため。
例えば、今は上場企業にいるのだが、うちの社長っていくら給料もらっているのだろうか?という会話を何度かしたことがある。
有報を読めば場合によっては金額が丸々わかる場合もあるし、そうでなくてもだいたいの推測はできるようになる。
何が見れるのか
まず前提として、上場企業が必ず出さないといけない。逆に言えば上場してないといけないのでその条件がある。
また、上場している企業がホールディングスの場合でも、直接上場している企業分しか詳しい情報が見れないので持ち株会社の場合注意。
連結の売り上げや営業利益は見れるけれども。
あとは上記引用の通り、
企業概要
事業状況
株式情報
財務諸表
などが記載されている。
ちなみに、有報は1年に1度しか出ません。本決算の2~3か月後に出てきます。
それ以外の四半期決算時には、四半期報告書というものがありますが内容量が全然違うので有報をおすすめします。
定性的に役立つ項目
主要な経営指標等の推移
会社を知るにあたり大前提の項目が並んでいます。もちろん会社は数値だけで語ることはできませんが、数値を把握しなければ定性的なものも理解することができないと思っております。
キャッシュフロー云々は少し難易度が上がるので、まず最初に見たほうがいいのは売上・経常利益・従業員数でしょうか。株を持っている人は、1株あたり純資産額や純利益額も見たほうがいいでしょう。
例えば、売上が伸びていないのに従業員数が増えているとか、売上は増えているけど経常利益が下がったとか赤字というのは、何か要因がありそうだな、とわかります。
平均勤続年数・平均年齢・平均年収
平均勤続年数が出ていますが、新卒の比率が多い会社は当然年数が少なく見えます。
一概にすぐ辞める企業ではない点は注意です。
平均年齢と平均年収は、もちろんばらつきはありますが上場企業同士での比較はわかりやすいです。
大事なのはその2つを総合的に見ることで、例えば平均年齢が若いから平均年収が少ないだけということもあります。
逆に、平均年収が高くても平均年齢が40近くだと、その平均年齢ぐらいまで行かないとその年収がもらえないものだと思っていいでしょう。もちろん活躍によって前後しますが。
役員報酬
役員報酬まで知れてしまいます。
ただ、年間1億円以上の役員は個人名と金額の明記が義務としてありますが、それ以下の場合は何人でいくら、といった具合での表記にとどまります。
色々みていると面白くて、240万しかない取締役がたまにいたりします。
大体見ている限り、上場企業だと平均して1500万〜が多いです。
逆に言えば、取締役の平均よりも1サラリーマンが年収をもらえる可能性は限りなく低いので、会社の上限値として参考にすることはできます。
取引先
これは、競合先の情報をとる時に使ったりします。
取引の金額が一定多い(10%以上?)の場合は会社名と取引金額の割合が開示されます。
主要顧客を知ることができます。
また、買掛金・売掛金という項目が会計上存在しているのですが、ここに記載されている企業名からも、何を買ったり売ったりしているのかを垣間見れます。
まとめ
上場企業を知るには、有報を見るのが一番良いです。
取引先や社員数、平均年齢で会社の「なんとなく」を知る入り口になるのではないでしょうか。