散々リサーチした結果、思いついた・いいと思えるビジネスを、自分の意思で何度か諦めるというのに遭遇したことがある。
この光景はできれば見たくはないが、その選択をすることは非常にいいなと思った。
撤退基準を設ける
CAグループさんの事業なんかはすごくシステマチックな部分があり、売上や利益・またその成長率で事業をランク分けしている。
そしてその順番に報告会議の席も決められる。
たくさん回しているからこその競争意識を、作ることができるのは非常に強い。
また、撤退基準が明確なのがよい。
結局は、見込みのないビジネスを、それでもやってしまったからとダラダラと続けるのは、株主視点でも経営者視点でも従業員視点でも、不幸になるからだ。
この「基準」というのが非常に人間の心理には刺さるもので、見込みがないのはいいのだが、急に明日にはなくなります、と言われるのは気持ちも辛いし、納得感が生まれにくい。
基準が正しいかどうかの問題はあるが、期間や規模の基準を設けることで、それまでにできなかったら辞めるというのがわかっていれば、心理的ダメージが小さいものだ。
やらないという選択肢を評価したい
とはいえ、一度考えたりしたビジネスに気持ちが入ってしまうことはあるあるで、私も実際そうであった。
事業やっているバイアスにも近く、客観的に見れない場合がある。
その場合、サンクコスト的な側面もあり「なんとかやりようを見つけ」ようとしてしまう気持ちもまたわかる。
だからこそ、活動の結果として見込みがないと判断し、途中でやめたり、そもそもスタートさせなかったりするという選択を取れることは、尊重したいし、受け入れてあげたい。
何も考えずにやりましたという人よりも、論理的に考えた結果やらないという選択を取ったという人を評価してあげたい。
評価されるべきと考えるのは
・論理的に考えてやる/やらないの判断をして、その通り実行した
・論理的に考えて判断をしようとしたが、結局その通りにできなかった
・論理的に考えずにやった
・論理的に考えずにやらなかった
の順番になるだろう。
世の中は行動だとか、パッションだとか言っているが、もちろんそれを否定するわけではないが、その前提にある「しない」という選択肢を作り、そして客観的に状況を見てその選択肢を敢えて取れる能力というものを大切にしたい。