さかなとかえる

徒然なるままに

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根回しは、メンツと内容を抑える

人を動かすために大事なのが、根回しである。 

jmath.hatenablog.com

 

根回しをしないと、納得感が出ない

ある日、突然総務?からのオールメールがやってきた。

「福利厚生が新しくできました!」

突然のツール変更もある。

「勤怠システムを変えました!」

「評価するツールを変えました!」

 

全くメールしないのはもちろん論外だが、メールだけで済む簡単な内容であった試しがない。

もちろん彼彼女たちの上長には決済が通っているのだが、現場に浸透させるためには、現場のキーマンにでも丁寧に言わなければ、なかなか定着しないものだ。

 

結局、新しくできた福利厚生は何度かメールでリマインドが流れてきた。

そして、その後キャンペーンとして使うよう呼びかけがされた。

つまりどういうことかというと、ほぼ利用したり興味を持った人がいなかったのであろう。自分の周囲では、少なくともその会話が全くなかった。

使われない福利厚生なんて、なんの意味があるであろうか?

 

勤怠システムは、最初は問い合わせも多く手間取ったが、毎日使うシステムなので定着はしていった。

 

人事評価ツールは、なんで変わったのかもよくわからず、慣れた頃にはまた新しい違うツールに変わっていく、ということが普通に起きた。

 

オールメールがどう、という細部のHowの話ではないのだが、現場からすると突然言われても、「アウトサイダー感」がとても出てしまうのだ。

アウトサイダー感を感じてしまうと、インサイダーな当事者意識というものが消えてしまう。

それは、なんでこれを導入するのか、に納得ができないことが最大の要因であると分析する。

なぜ納得してもらえないのか

なぜ、納得感が出ないのか?

・ロジック

・感情

の2つが大きくある。

ロジックは、人事評価ツールのように、なぜ変わるのかよくわからない場合。

多分変更の理由は、人事評価の管理上の都合というのが大きいが、現場にはそのメリットはない。少なくとも、理解はできなかった。

自分たちの都合だけで進めるものに、やる必要性はまず感じられない。

メリットが全くないなんてことはないので、根回しする立場になったら、メリットを絞り出した方が良い。

 

感情については、なんか、整理しづらいが存在する。

「この周知方法で、本当にみんな使うと思っているのかな?」と思うと、白けてしまうのだ。

本気だったら、もっと色々やれよと。

まぁ、それを期待はしているものの、大抵の場合は、本当に誰かが不を感じている場合というよりかは、発案者自身の目標設定があり、それを達成するための手段としか考えていない。

特に、非営業・バックオフィスの目標設定は、ツールの導入やら自分で企画したものの数みたいなものを追う場合があるものだ。組織の論理というか物理法則?みたいなものだと捉えている。

それが透けて見える内容だと、協力してもらえない。少なくとも自分はそういった気持ちにはならなかった。

「わざわざ」自分自身の目標設定にもならない、むしろ時間的には障害にしかならないものに、協力できるだろうか。

少なくとも、トップダウンでやりました、はい終わり、では不十分である。

 

根回しでの大事な部分

メンツを抑える

まずは、説得させたい、味方につけたいキーマンを定める。

よく、営業部長が私を個人的に相談を入れ、ビジネスの方向性の議論や提案を受けていた。

が、私の上長への許可がなかなか取れない。

それを彼も承知の上で、まずは私から説得しようとしている。

なのだが、話を聞いた私から、上長に説明するには背景やストーリーなどが聞いた話よりも抜け落ちている場合がほとんどである。そのせいか、なかなかOKが出なかった。

熱力学の法則と同じく、人から人への伝達率は100%を超えることはない。よくて100%、それに達しない場合がほとんどである。

そんな環境で、私だけに相談をするのは、振り返ってみると間違っていたのではと感じる。私の上長へも直接、個別に抑えるべきだった。

つまり、決裁者や意思決定者のメンツを抑えることが重要だ。

 

もしわからなければ、とりあえず広く会議にアサインする方がベターである。

なぜなら、「議論をする、検討する」という機会を与えてあげることが、非常に大切なのである。

全く検討をする機会も、意見をする機会もないまま決定するのは、「なんで呼んでくれなかったんだよ、だったら使わない」という感情になりがちである。

それが、「とりあえず会議に呼ぶ」ことを上手に使えば、意見しようがしまいが「反対やよく思っていなくても、そのような場を与えた」という言い訳が作れる。

もちろん、ただ淡々を会議をするのではなく、検討の背景や論点を絞ってプレゼンをするのが大前提であるが、感情面ではメンツを抑えることは大切である。

 

内容を抑える

プレゼンや議論の内容は、大事だ。

概ね、

・背景

・課題認識

・メリット・デメリット

・スケジュール

は必要である。

できれば、事前に考えうる反対意見が何かを考察して、それに対するカウンターを持っておくことが望ましい。

ここは、ロジカルに進めるべきではあるが、何が反対要素か?は、感情面を汲み取る必要がある。

 

自分の感情は後回しにする

これは一番個人的に苦しんだポイントになる。

根回しって、言ってしまえば面倒くさいのである。

自己保存本能のある集団で、どうして新しく何かをしなければいけないのか。

まず、最初は協力してもらえない。と思っておいた方がいい。

ただ、面倒くさいが、必要なプロセスになる。

 

自分は、営業へのアップデート周知が非常に嫌であった。

・会議に呼んでも、理解しているのかわからない(リアクションが薄い、質問もない)

・その後、思ったように動かない(理解していない?)

・その場が「面倒くさいなぁ」という雰囲気を感じる

といったように。

ただ、先ほどのメンツの話にもあったように「会議をして、説明した」という事実が大事なのである。(本質的かというとそうではないのだが、、)

 

自分の面倒だ、嫌だという感情は非常にわかるし苦しんだのだが、ポケモンでいうところのカビゴンを起こすかのように、次のステップに行くための必要プロセスと思い込んで、やるメンタルは大事だと思う。もちろんこれが好きな人は全く考える必要はない。

「自分は好きでやっているんじゃない」「必要だからやっているのだ」

と思うことこそが仕事でのプロフェッショナルである。

嫌な時でも、感情を押し殺して、機械のように実行しよう。

ただし、プレゼン自体は感情も込めて。

 

右脳思考

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  • 作者:内田和成
  • 発売日: 2018/12/26
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