さかなとかえる

徒然なるままに

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ビッグマウスは周りのハードルを上げてしまう

私は、ハードルはなんでも出来るだけ下げた方がいいと思っている。

 

jmath.hatenablog.com

上記の記事では、会社への期待というハードルが高いと、現実とのギャップに絶望してしまうということを述べた。

 

今回は、相手に過度に期待させすぎる話について、述べようと思う。

 

前もって締め切りにバッファを作る

「この仕事、やっといてくれる?」

「はい、わかりました。えーっと、いつまでにですか?」

「いつぐらいに終わりそう?」

こういう場面はビジネスの世界では本当によくあるが、こう聞かれた場合、いつに設定するべきだろうか?

例えば、現実的に考えると1週間かかる仕事だったとしよう。

その時の選択肢は、

①ストレッチして3日後

②現実的に1週間

③他の仕事が入る可能性もあるので余裕のある2週間

だろうか。他にも変化球があるにはある。

 

結論、万能な正解はない。その仕事の優先度等の、様々なパラメータが関係してくる。

ただ、①ストレッチして3日後と答えるとどうなるか?

仮に本気で頑張って3日後にちゃんとこなせば、「仕事をできた、期待通りにやった」という評価になる。

それが、やっぱり1週間かかるとなったら、「すみません、〇〇日まで待ってもらえませんか」と言わざるを得ない。そうなると、「予定通りにできないのだなぁ」という評価になる。

②現実的に1週間と答えるとどうなるか?

1週間でできたら期待通りの評価、3日後にもしできてしまったら期待通りの評価、優先度や上司によっては、期待を超える評価をしてくれる可能性もある。

 

この2つの選択肢だけを比較すると、仕事が結局3日だろうが1週間だろうが、

②現実的に1週間

が最適解となる。これを選ばない理由がないのだ。少なくとも最初の返答では。

この返答で1週間と言って、そうしたら「これは〇〇な理由があって、3日後に一旦欲しいのだけど、そこまでで頑張れるだけ作ってもらうことは可能?」と言われる場合ももちろんある。その場合は、その通りに頑張るだけだ。

 

何が大事かというと、自分から自分の首を絞めないこと、初手からハードルをむやみに上げないことだ。

 

期待に答えたくなり、早めの期限を言ってしまうことはよくある。

ただ、それで受け手のハードルを勝手に上げることは、自分にとってあまりよくないのである。

 

難しいのは、

③他の仕事が入る可能性もあるので余裕のある2週間

の選択肢である。

こちらの力関係が強かったり、聞いた限りそんなに大事そうでない場合は、初手で一度言ってみるのも選択肢としては考えられる。ただ、毎回どんなシチュエーションでもバッファを取ってくる人は、長期的には信頼されていない。

ただ、バッファが取れるなら取っておいた方が良い。結果的に、1週間でできたらその時に報告をすればいいだけなので。

 

行動を伴う発言をする

新卒が多数入社する会社では、野球でいう「新人王」のような新人限定のタイトルがあることが多い。

目的は、1年目から達成感を体感してもらうことと競争による成長を促すこと、だろうか。

自分が新卒で入った会社にも新人王があったのだが、その会社はガツガツした人はほとんどいなかった。

新人は入社式の日の懇親会で軽い挨拶をするのだが、同期のうち1人が

「よろしくお願いします!あと絶対新人王とります」と宣言した。

宣言したのは、その同期1人だけだった。もちろん、その後は先輩社員に一番注目されたのはその彼であった。

翌日以降も、「あぁ、懇親会で新人王の宣言してた」という認知が社員にされていて、マーケティングというかキャラクターとしてはいいなぁ、やられたなぁと自分も思っていた。

だが、日を重ねるごとに、その彼のメッキが剥がれていく。

新人あるあるのネガティブなマインドに陥ってしまい、数ヶ月ですっかり元気がなくなってしまった。

本気で周囲からは「あの発言が一番ピークだった」と思われるレベルになってしまった。

結果、もちろんだが新人王候補にもならなかった。

 

このケースは、認知の戦略としては入り口としてはよかったものの、その後の行動が連動していなかったので、「口だけ」という評判という逆効果になってしまった。

もちろん、本当にそのタイトルのレベルのパフォーマンスが出せるのであれば言ってもいいが、それがわからないのであれば気軽に言うべきではない。

これが、仕事熱心な会社で社交辞令的に新人全員が「新人王とります」宣言をしている環境だったら、また変わっていただろう。

 

ただ、結果的に高いハードルを跳べても、それは運がよかっただけの場合も多い。

ハードルは、下げる、ないしは作らなくてもいいのであれば作らないことに越したことはない。

もちろんVC出資や、就活など、相手に期待をさせないと動いてくれないパターンも多い。その時は期待をさせる。そうせざるを得ない。

それ以外は、期待をさせないというのが、比較的精神衛生上良いのではないか。